何はともあれハルがわざわざあたしに会いに来てくれたことが嬉しくて声がうわずりそうになるのを必死に堪える。
にやけそうになる口を手で隠しながら平然を装って声を出すあたし。
「で‥あたしに何か用でもあるの?」
「あ、そうそう。お昼持って屋上行かねぇ?」
ハルは上を指差しながら言う。
「え!!あ‥うん!!」
「おし。じゃあ青井は弁当に加えてギターも持参しなさい」
と言いながらもう既にハルはあたしのギターを抱えている。
「もうハルが持ってるじゃん」
「どう?どう?俺ちょっとRockerっぽくねぇ?」
ギターケースを背負ってポーズをとりながら歩くハル。
「まぁまぁかなー」
「えー。照れんなって、カッコイイとか思ってんだろー?」
「はいはい」
あたしたちはふざけ合いながら屋上へと向かった。
いつも一緒に帰っているけど廊下を一緒に歩くのは初めてでたったそれだけのことがすごく嬉しかった。
周りの視線も段々気にならなくなっていった。むしろあたしは見て欲しいくらいあった。
誰かの記憶にあたしとハルの姿を確かに残して欲しかった。
ちゃんとあたしたちの時間もあったことを覚えていて欲しかった。
ハルはすぐ近くにいるのにあたしはこんなことばかりを考えていた。

