帰り道




聞きたいけど聞けない。


聞くのが怖い。



何の話をしてきたの?



「‥‥‥」


少しの沈黙


「なぁ、青井‥」


それをハルの声が破る。


「‥ん?」



あ‥やっぱり名字で呼ぶんだね。


名前で呼んでよ、ハル。



そう願うことすらダメかな?



「‥違ったらごめんだけど‥」


「うん」


「‥もしかして泣いてた?」


「え‥」



‥なんでわかるの?


なんで気付いてくれるの?



「なんか変なこと聞いたよな。青井の声‥ちょっと掠れてるからさ、もしかしてって思って」



‥ハルのバカ。


そんなの気付かないでよ。



だから


もっともっと

好きになるってば。



「‥やっぱ違った?」


「‥ふふふ」


「何笑ってんだよー」


「明日、待ってるね」


「おい、話を誤魔化すなよー」



否定も肯定もしない。

だってね、もうハルに嘘はつきたくないから。


ごめんね


その優しさ

あたしの心の中に残して絶対に忘れないからね。