「え?」
ハルがびっくりした顔でこっちを振り返る。
「‥あ」
あたしの手は無意識にハルのセーターの裾を掴んでいた。
「‥ごめん」
心なんかより身体の方がよっぽど素直なんだ。
手を離そうとすると高島さんはハルの腕を組む。
「どうしたの?行こうよ」
たぶんあたしの手に気付いてるはずなのに。
あたしはハルからバッと手を離す。
「バイバイ、ハル」
静かに目を閉じて後ろを向いてから呟いた。
ハルの表情を見るのが怖かった。
あたしの気持ち気付かれたかもしれない。
いや 普通気付くよね?
ハルが何か言っていたけれど聞こえないフリをして走って生徒玄関を飛び出した。

