キーンコーンカーンコーン‥
「あ、もう戻るか」
「そうだね」
あたしだって聞きたいことたくさんあるのにな。
でもね
苦しいのにね
それでももっともっと
ハルといたかった。
机から飛び降りたハルがドアに向かって行くのを見てあたしも立ち上がる。
鍵に手を伸ばすハルの手を黙って見つめているとハルの手が止まる。
「どうしたの?」
ハルの顔を見上げると急にまた真剣な顔であたしを見つめる。
口を開きかけてそのまま数秒合った目をパッと反らすと口元に手をあてるハル。
「あ‥なんでもない」
ガチャと鍵を解除して勢いよくドアを開ける。
出ていくハルの後ろをついて行く。
途中でゆっくり歩き直すハルがやっぱり好きだと思った。
たった一組分の距離だけどハルと一緒に廊下を歩けて嬉しかった。
ハルが2組に入るとき『またな』って笑ってくれた。
そんな些細なことがまた嬉しかった。
2組の前を通り過ぎるとき開いた窓から友姫の彼氏の小山くんと目が合う。
軽く会釈をすると手を振ってくれた。
その斜め後ろには高島さんの姿。
あ ハルとは席遠いんだ。
ハルはグラウンド側の後ろから3番目の席に座る。

