翌日。
いつもより10分も遅く校門を過ぎる。
ハルの顔を見るのが怖くてラッシュに登校してるんだけど‥ほんと人多いな。
「おはようございます」
何度も何度も聞こえる挨拶。
その中にいつものやる気のない声が聞こえる。
ハル‥。
あたしの前に何人か歩いてるし気付かれないかもしれない。
少しハルから離れたドアに向かって俯きがちに玄関を通り過ぎようとしたとき腕を強く掴まれる。
「え?」
「ネクタイはちゃんと着けて来なさい、青井」
掴まれた方を見て目線だけ上げて見上げるとそこにはオシャレに制服を着崩したやる気のない風紀委員さん。
「は‥る」
「おはよ、青井」
そこにはさっきの声とは裏腹に優しい笑顔を浮かべたハルの顔。
「お、おはよう」
「‥ちょ、上目遣いとかやめろって!!」
「え?」
バッと口元を隠して周りを見渡すとあたしの腕を引いて山内先生のところまで行くハル。
「先生、今日僕ちょっと調子悪いんでもう戻ってもいいっすか?」
「あぁ、いいよ」
「すいません」
許可を得たかと思えばそのまま掴んでたあたしの腕を引いてそっと耳元で
「おいで」
って囁くハル。

