いやあくまでも例え話だし。ハルしか浮かばなかっただけ。
だってあんな風に笑う人あたしの周りにはあんまりいないから。
言い聞かせるように自分の中の感情をおし殺す。
あたしはできたお弁当を鞄に詰め込んで少し足早に家を出る。
通学ラッシュはチャイムのなる10分前ぐらいから始まる。だからあたしは更に早く登校する。
少しでもあたしを見つけて欲しいと思うんだ。少しでいいから話したいんだ。その確率を上げたい。その笑顔を見てなんとなく1日明るい気分で過ごしたい。
そんな下心なんかあなたは知らない。
校門前。
今日もまた少しだけダルそうに挨拶運動をしてる、ネクタイを緩めて絞めてるやる気なしなダメ風紀委員さんに見つけてもらいたくてこんな時間に登校するあたし。
そんな風紀委員さんがあたしに気付いて手を挙げる
「お、きたきた。おっす!青井」
「おっす」
「最近早いんだな。偉い偉い」
ダメダメ風紀委員さんもとい、ハルはあたしの頭を撫でながらまた笑う。
こういう仕草がどれだけあたしの胸をおかしくするのか彼は知っているのだろうか。
「こら!!相羽、ちゃんと仕事しなさい!!」
風紀委員会顧問の口うるさい山内先生が怒鳴るのを聞いてあたしは少しだけ火照る顔を隠しながら『頑張ってね』と一言だけ残して靴箱に向かう。
ハルはいつも決まって『おう、またな』と返事をくれる。
それを嬉しいと思うこの気持ちはもしかして‥

