帰り道




ハルはもうあまり温かくなんてないだろうあたしの手を昼休みが終わるまで重ね続けてくれた。



ふたりで屋上を出てふたりで階段を下りた。


ハルは別れ際『ありがとな』と呟いた。


とても小さな声だったけどちゃんと届いたよ。



ハルは右へ

あたしは左へ。



屋上を出れば
もう何もかもが違う。


だけど


ハルの体温


ハルの手の感触だけは


まだちゃんと残ってる。



ハルの後ろ姿を見るのは
もう何度目かわからない。


なのに今日はいつもと違って見えた。



何故かはわからないけれど。




ハルは教室までの一直線、一度も振り向いてはくれなかった。


それが現実。



高島さんのいる場所へと帰るんだよね。


あたりまえだけど


あたりまえなのに



泣きたくなった。