「あ、華奈、俺のことは仁哉って呼んでくれよな!ハナも!」

「うん、わかった!」

なんとなくふわふわした二人の会話が嫌になる。そんなこと顔に出さないつもりで、わかったわかった、と頷いておく。

「あれー、華奈ちゃん、今年もクラス同じだねー!」

「錦じゃん、今年もよろしくねー。」

華奈が、走りよって錦、と呼んだ男の子に話しかける。

「そっちは?」

「友達!」

サラッと言われ、不覚にも照れてしまう。

「ニムラ花奈です。」

「ハナって呼んでるんだよー!」

私の自己紹介のあとに華奈が付け加える。なんだか、兄妹みたいだな…

「ハナちゃん?僕は錦想太。よろしくね。」

内藤も負けずと自己紹介して、そのうちに時間は過ぎていく。