「やったーーーー!」

試合が終わる音と同時に華奈の嬉しそうな声が響き渡った、

「ありがとうございました!」

勝った私たちは笑ってクラスの方へと戻っていく。

負けたほうは顔を下げて戻っていく。そうだ、どちらかが勝てば必ずどちらかは負けるんだ。

「ハナ、やったね!」

「華奈。」

「勝ててよかった!」

「うん。」

にこーっと笑う華奈に私も笑みが浮かぶ。

「あのね華奈。もし私がまた同じようなこと言われても、ムカつかなくていいからね?」

「何で?」

きょとんとした顔を浮かべた。

「何でって私のことだし…。」

「友達のこと悪く言われたら気分悪いじゃん!」

「でも、」

「でももなんでもない!華奈、このクラスの誰が悪口言われてもムカつくよ?それに、そんなやつらに負けたくないしね!」

満面の笑み。ころころ変わる表情。

「うん。」

素直に何でも言える、そんな華奈が少し羨ましくもあって、でもこうはなれないなってどこか胸の奥のほうで悟った。