「二村、と。」
四列目の一番前の席。うーん、後ろがよかったな…
「ねぇねぇ、」
ボーっとしてると前にものすごく可愛い子が立っていた。
「そこ、華奈の席じゃないかな?」
「へ?ニムラ書いてあったし私の席だと思うけど…」
すると女の子はあっ、って何か気づいたような顔をした。
「多分、ニムラさんは、こっちじゃないかな。華奈、フタムラ華奈っていうの。」
3列目の一番後ろの席をさして、言う。
「あ、ほんとだ。ごめんね、ありがと。フタムラさん。」
「いいよー!それから華奈って呼んで!ニムラさんはなんて名前なの?」
「ニムラ花奈。名前、同じだね。」
二人して数秒見つめあう。
「呼び方どうしよう。華奈、一人称も華奈だし…。」
「うーん、私普段花奈以外では呼ばれることすくないからなぁ。」
かといって、ニムラ、フタムラじゃぁ、堅苦しい。
「あ、でも、私のことはハナって呼んで!一時期そう呼ばれてたこともあるし。」
分かったって頷かれてさっそく呼ばれる。
「ハナ。」
うん、しっくりくる。花奈って名前もしっくりは来るけど、なんだか外れてたピースが埋まったかのように、ぴったりな気もする。私は花になりたいんだ
「何?華奈」