「は?」
「だって、なんかやさしーもん。嫌な顔せずに手伝ってくれるだけじゃなくて、飲み物とか、送るとか、」
「半ば強制的にクラス委員させたし、本当は二人でやる作業を一人でさせたから気になっただけだって。」
そんなこと、気にする人なかなかいない気もするよ。
そうやって気にすることが諏訪ちゃんの優しさなんだよきっと。
「諏訪ちゃん、クラス全員のことすっごく見てそう。みんなの第一志望言えるんじゃない?」
「華奈はY女だろ、」
「あ、本当に覚えてるんだ…。」
茶化したつもりだったのにな…。
「Y女の家政科だろ?服飾関係の専門学校って手もあるけど?」
「あー。それも考えてはいるんだけど、そうすると行きたいとこ県外になっちゃうから」
「なるほどな。」
何で車の中で進路相談してるんだろう…。
「また三者懇談の時に詳しく聞くわ。」
「うん。」
車の中でまでこんな話したくないよね。


