「終わった――――!」

「お疲れさん。」

ポンッと頭の上に手が置かれる、こ、これは俗にいう頭ポンポン…。壁ドンとか、
袖クルとか流行もいいけれど、頭ポンポンをナチュラルにこなす人がいたなんて…じゃなくて

「諏訪ちゃんありがと。」

「どういたしまして。」

ニッと笑った顔も、ふわってした笑顔も今この場だけは特別に見えてしまう。

「さて、帰るか。荷物取りに行ってくるから裏門前で待ってて。」

「あ、うん。」

裏門か…。教職員用の駐車場とは正反対で、あんまり先生たちはいないとこ。

見つかりにくいのかな…?


「内藤部活終ったらこさせればよかったな。あいつ一目散に帰りやがった。」

「あはは、サッカーしてたら、忘れちゃったんじゃない?クラス委員のこと。そういや仁哉ってサボり魔なの?」

「あいつ問題児なんだよ。最近やっと部活謹慎解けたとこ」


部活謹慎…?

「一年の時全科目赤点で追試受かるまで部活参加禁止だったし、二年に上がる前に部内で上級生との殴り合いのけんかが起きてあいつ、自分から数か月部活に出ません、って宣言したんだよ。」

だから、よく一緒に遊んで帰ってたんだ。

納得。