プリントごとに並べておいて一枚ずつとって重ねていく。
またそれを一部確認作業のせいでだいぶ時間過ぎてるな……。
「まだやってんのかー?」
「諏訪ちゃん〜、終わらない…」
「はいはい、手伝ってやるから何やればいい?」
「もうわけてあるから一部ずつ整えて渡してー。」
華奈自身はホッチキスを手に持って、準備する。
諏訪ちゃんは若くてかっこよくて、いい先生だけど面倒くさがりなとこもあって。
たまに華奈たちとどっちが生徒なのかわかんなくなる時もある。
でもこんな風に作業をしていると、やっぱり諏訪ちゃんは大人なんだなって再確認してしまう。
華奈には近づきたくても近づけない領域がきっと存在するんだろう。
「華奈、ボーっとしてないで手、動かせ。」
「へ?あ、うん。」
こういう時、手が触れてドキッとかそんなイベントが普通あるんだろうな。
そう思うと自然と笑えて来てしまう。
「何笑ってんだよ。」
「なんか少女マンガにありそうな展開だなって。二人で残ってドキドキッ、みたいな!」
「夢見すぎだって。」
そうだねって笑って今度こそプリントを止めていく。


