思いがけない話題の一致で話はどんどんヒートアップする。

「へ?ハイジャンプ、全巻持ってんの!?読みたい!」

「おっけー!じゃ、明日から二冊ずつくらいで持ってくるよ!」

「ありがとー、ハナちゃん!」

漫画のかしあいっこなんて男の子とするとは思わなかったな…。

「てゆーか、ハイジャンプ持ってるなんて相当漫画好きだね、ハナちゃん。」

「表紙みて、つい。絵が綺麗だし、内容も神だし、ハイジャンプの作者さんの漫画、ほぼ集めたよー。」

有名な週刊誌に乗ってるわけではなく、月刊誌に連載されているハイジャンプは単行本になるのも遅い。だからこそ、ハイジャンプの作者の作品を古本屋などで集めることが出来た。

「そ、それはすごい!僕も、流星軍と比良塚桐なら持ってるんだけど、もう持ってそうだよね、」

「そうだねー。流星軍も比良塚桐も有名だからね、」

その人の作品の中では、という言葉も忘れない。

「こんなに、漫画の話ができるなんてもっと早くしておけばよかったね!」

「ほんとそうだねー。」

緊張が嘘みたいに溶けていた。