「じゃ、帰るぞー。華奈と内藤は残ってろよ。はい、号令。」

「さよーなら。」

わらわらとバラバラになる、

「ハナちゃん、帰ろっ!」

「うん。」

二人、きりですよ。

ふたり、です。私と、錦くんの。

「じゃーね、ハナ!錦!」
華奈に手を振って教室を出る。

「明日も学校かー」

ニコニコ、そんな形容詞が似合う笑顔が眩しい。

「そうだねー。」

なんて返せばいいんだろう。何を言えばいいんだろう。こんな事考えながら話すなんて久しぶりで、緊張する。

「なーに、考えてるのー?」

鼻をキュってつままれて変な声が出る。

「ぷっ、変な顔!」

笑いだしたら止まらない。しばらくは笑いっぱなし。つられて私も笑い出す。