「あ、内藤ー、華奈ー、」
ほかのクラスに向かうらしい諏訪ちゃんが顔をのぞかせた。
「今日、球技大会のことで集まりがあるから帰り残ってくれ。プリントとか作らなきゃいけないらしいから、」
「はーい。」
なんだかんだ、クラス委員長は残ることが多い。一緒に帰ってはいるけれど、あまりにも長くて待ってる間に寝たことも何度、あっただろうか。
「あと、今日帰り遅くなるだろうからちゃんと親に連絡しとけよ。」
その言葉に二人が返事をして、わたし達に向き直る。
「ごめん、今日先に帰ってて?」
いつもなら、四人か、華奈と二人かどちらかで帰るのに、今日は一人かな。
「じゃあ、今日は僕とハナちゃんの二人だね。」
「へ?」
今絶対にマヌケだった。マヌケな声だった。
「あれ、ハナちゃんもなんか用事あった?」


