ハナの声は聞いたことがないくらい低い声だった。

「あれ、ハナ、呼ばれたんじゃ、」

「華奈と間違ってたみたいなんです。それで、紛らわしい、帰れと言われました。」
外から諏訪ちゃんと、ハナの話し声が聞こえる。

「悪い、俺が電話する先間違えたな。」

「いえ。」

すべての根源が諏訪ちゃんな訳はないから、どっかで話が狂ったな。

「高田先生、こちらからフタムラさんを責めているだけでは一方的です。フタムラさんの話も聞きましょう。」

優しい顔の先生がそう、諭す。

フタムラさん話してください、と話を進められる。

「えっと…昨日中学時代の友人にたまたま駅であって立ち話して、一緒に薬局行って、ちょっと別行動してからコスメ売り場で待ち合わせしてて、少し遅くなって急いでその場に駆けつけたらちょうど万引きしてたので、注意しました。」

これ以上でもこれ以下でもないし、これ以上なんとも言えないんだよね。