片恋シンドローム


「じゃ、また明日。」

一人ずつ違う駅で降りて行く。

最初に錦くんが反対方向の電車に乗って次に乗り換えのために華奈が降りて、次に内藤が降りる。

最後まで一人残ってなんだか盛り沢山な一日だったな、とそれだけ振り返る。

気を抜けば寝てしまいそうで、でも興奮していて、眠たくて、起きてたくてなんだか矛盾している。

その矛盾すら面白く感じるのはもはや末期だろう。

おとに気付いてスマホを見ればさっきとったばかりのプリクラが送られていた。

二村花奈、16歳。高校二年生が始まった。