「つまり、だ。正直、諏訪と俺たち二人並べたらどっちがイケメンかなんてすぐわかるだろ?」
口々に諏訪ちゃん、と声が広がる。
「でもな、もし、諏訪じゃなくて、高田だとしたら?」
ぱっと高田の顔を思い浮かべる。
「…それなら、仁哉じゃない?」
華奈がぽつりとこぼした。
「だろ?」
ドヤ顔をして演説を終えた。
「いや、どちらにしても高田よりかは諏訪の方が良くね?」
「てゆーか、どっちにしろ諏訪ちゃんに勝てる男子いないし!」
口々に野次が飛ぶ。
「な、」
「うるさい。座れ。問題児、」
いつの間にか教室に入ってきていた諏訪ちゃんが内藤を出席簿で叩く。
「いってーな!」
「このバカは放っておいておけばいい。知ってると思うけど、俺は諏訪冬弥。英語担当で、サッカー部の顧問だ。よろしく。」


