片恋シンドローム


「やったねー、諏訪ちゃんだよー!」

こそっと二人で言い合う。

始業式も終わり、教室に入ればみんな嬉しそうに諏訪ちゃんのことを話してる。

「諏訪ちゃんはあたりだね、ね、仁哉くん?」

「いや、ハズレだろ!」

内藤と錦くんの会話が聞こえて少し笑ってしまう。

「あたりだよー!ねぇ、ハナちゃん?」

「うん、そうだね!」

「おい、男子ども!喜んでるけどよく考えろよ!」

内藤はいきなり立ち上がった。いきなり、わめいた。

「あいつは、諏訪は!!イケメンだぞ!」

それがどうした、とでもいうように内藤を見つめるクラスメート。

「つまり、俺たち男子はかすむ!よく考えるぞ。ソウ、ちょっとたて。」

いつの間にかソウと呼ばれている錦くんが戸惑いながら立つ。この演説、なかなか終わらないだろうな。

「男子どもすっげー、失礼だけど、このクラスでソウに顔面偏差値勝てる自信があるやついるか?」

クラス中がシーンと静まる。次々に首を振ってく男子たち。

「俺に勝てる奴いるか?」

「錦くん。」

内藤の言葉に即座に反応してしまう。

「ハナ、ソウ以外のやつだから、」

また首を振る男子たち。華奈の方を見てみるとすごく笑っていた。