「…ご、ごめんなさ」
「待ってた」
「っ…!」

思わぬ言葉に私は立ち止まって先輩を見上げていた。

どういうこと…?

重なるその真剣な瞳に飲まれそうになりながらも、いつしか私はその瞳の虜になっていた。

「気になっていたんだ、高木真央を」

覚えられていたその名前と、前から知られていた私の存在。私は熱を帯びていくその現象に抗えずに先輩______杉村広貴の瞳に飲み込まれていた。








それから毎日一緒に帰りに、話していくうちに念願の恋人となる。


「……まっ…まお…っ 」
「ぁ…んんっ、杉村っ…ぁあっ…せん、ぱっ…」


身体を重ね、このまま……と夢見ていた。

だが。私が高校を卒業し、大学に入学して数ヶ月後。

「別れよう」

そう告げられ、3年の私たちの歴史は幕を閉じたんだ。