新選組と最強子供剣士

土方さんのことだから、僕は必要以上に動いて欲しくないはず。


だから原田さん達幹部には『余計なことはさせるな』と言っているはず。


僕には新選組の仕事にもあまり関わりを持ってほしくない。


なるべく大人しくしてほしいのだろう。


で、頃合いを見て利用できそうなら利用する。


だけどそれは嫌だ。


だって、つまらないじゃないか。


「じゃあ、原田さん僕の相手になってよ」


「は?」


「原田さんと試合して僕が勝ったら、今回の稽古に参加する。いい?」


僕がそう言うと、隊士達がざわめきだす。


そして見知った顔がやってきた。


「剣壱、それは止めとけ」


「あ、七郎、おはよー」


木刀を持ち汗を流している七郎。


後ろには斎藤さんがいる。


そっか、七郎は三番組の隊士だっけ。


今は三番組と十番組が稽古してるのか。


「俺は手加減が苦手なんだが‥‥‥」


そうポツリと原田さんはつぶやいた。


へぇー意外だ。


原田さん優しいし、そういうの得意そうなのになぁ。


ん~本気の原田さんと試合してみたいけど、試合したら駄目か。


万が一、勝っちゃったら面倒だし。


んーじゃあ‥‥‥‥


「じゃあ、七郎相手して」


「は、俺か?」


七郎はみた感じ隊士の中でも強い方だろう。


手のまめや腕の筋肉を見るところ、相当努力もしてそうだ。


ま、僕よりは弱いだろうけど。