新選組と最強子供剣士

シーンとその場が静かになる。


僕は目をキラキラさせて原田さんに詰め寄る。


僕はあくまで純粋無垢な少年。


演じろ、幹部相手に探るような真似はするな。


あくまで訓練に参加するだけだ。


「いや、お前は‥‥‥」


「僕の師匠が言ってた。1日でも稽古をしないと身体は鈍る。だから稽古はあんまり怠らないようにって。お願い!」


手を合わせて原田さんを見つめる。


原田さんは元々優しい人なのだろう。


敵には非常になれるかもしれないが、仲間には非常になることは不可能。


この人ならよっぽどの事がない限り断らない。


「あーとりあえず、見学ってことでいいか?」


「わぁ!ありがとう!」


満面の笑顔を作って喜ぶ。


この身体で戦うことにも馴れておきたい。


未来に戻れたとして、元の身体に戻れたとしてもこの身体に馴れておいて損はないはず。


とりあえずは動かしてみないとわからない。


子供になっているから剣を振るった時の距離はもちろん、体術も試さないと。


相手は原田さんがいいな。


確か原田さんは槍の名手でもあったか。


殺し屋の中で同じ流派の奴がいたはず。


まぁそれはどうでもいいか。


上手くいけば俺を外に出させてくれる可能性もある。


欲をいえば、今後の新選組の活動の参加を許してくれる可能性もある。


土方さんタイプの人は、使えるものは何でも使うタイプだろう。


やはり新選組で総合的に1番強いのは副長を勤める土方歳三だろう。


純粋に戦場で強いのは近藤勇‥‥‥


1対1の決闘なら沖田総司。


「剣壱、どうした?」


「ううん、何でもない!」


ま、考えるのは後でいいか。


俺は原田さんと共に道場に向かった。





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