新選組と最強子供剣士

信じられないと言う顔をする沖田さんに、僕はさらに続けた。


「暗殺以外には、組織を潰したりもします。情報収集の役目を請け負うことをありますが。僕は沢山の人を騙し、殺し、欺いてきました。だから、新選組みたいにまだまだ青い組織を潰すなんて容易いんですよ」


「君は‥‥‥いったいなんなんだい?」


「だ・か・ら、桜木剣壱ですってば」


そう言って僕は笑った。


見た目どうりの子供の姿で無邪気に。


不意に、廊下に気配を感じた。


僕は立ち上がり、沖田さんに飛びつく。


「おっきたさ~ん!」


「え、うわっ!何するの‥‥‥‥」


沖田さんの胸にぐりぐりと顔を押し付ける。


そうしていると、勢いよく襖が開いた。


「おい総司、稽古はどうした?」


そこには怖い顔をした土方さんが立っている。


僕はそんな土方さんに構わず、笑顔で挨拶をした。


「あ、土方さ~ん、おはようございます!」


「あ?何で剣壱がいるんだよ」


「沖田さんと遊んでたんだ!ね?」


『あわせろ』そういう意図を込めて沖田さんにふった。


「そうそう。剣壱君が、どーーしても僕と遊びたいっていうから」


こいつ、僕を言い訳に使いやがった。


「総司、これはどういうことだ?」


土方さんが持っているのは、さっき沖田さんが斬ったお盆の片割れ。


うわぁ、面倒な人に見つかった。


「それ、なんですか?」


「しらばっくれるんじゃねぇ。こんなに切れ目がいいんだぞ?一は稽古しているから違う。平助と新八は巡査。佐ノは近藤さんのところにいた。後はお前だけだ」


「僕知りませんって」


「‥‥‥‥何があったか話せ」