沖田さんが睨みつけるように僕を見ている。
怖くないって言えば嘘になるけど、僕はもっと怖い人を知っている。
だから、絶対に怯んだりしない。
「では、とりあえずは沖田さんの質問に答えましょう。何でもいいですよ」
「‥‥‥‥じゃあ、君はどこからきたの?」
未来から来たっていきなり言っても信憑性が薄すぎるな。
トリップしたのは東京‥‥‥‥
よし、話ながら説明していくか。
「そうですね。僕は東京‥‥‥今でいう江戸の方からやってきました」
「とうきょう?『今でいう』っていうのは?」
「江戸という場所は、近い未来、東京という名前になるんですよ」
「‥‥‥‥え?それって‥‥‥‥」
「僕は、約150年、平成26年からきたということです。簡単にいうと、僕はこの時代の人間ではありません。未来人です」
「‥‥‥君は嘘はつかないんだよね?」
「はい、今、この場では」
やはり混雑しているようで、顎に指を当てて何かを考えているよう。
そして、僕の言ったことを理解すると、もう一度僕を見つめる。
理解はしたが、納得はしていない顔だ。
「正直、信じられないんだけど。何か信憑性のある証拠とかある?」
「ありません。こちらに来た時には、僕はぬいぐるみ以外何も持っていませんでしたから」
「じゃあ、これから起きる未来はわかる?」
「そうですね。歴史に残る戦いの中に、新選組もいますので多少は。けど、これはあくまでも僕の知識の中ですので、正確性はありません」
「ふーん、そうなんだ」
僕が言っていることは、曖昧なものばかり。
だけど、嘘は言わないと言った以上、確信のあるもの以外言うことはできない。
「じゃあ、次は君のことを教えて。親のこととか基本的なこと全部」
えー全部っていってもな~
土方さんが言ったこと、殆ど嘘じゃ‥‥‥‥



