ここまで当たってるんだし、沖田さんは確信をもって言ってるだろう。


鎌をかけているだけだとは思えない。


今、ここを追い出されるのは少し辛い。


なんせ、この京を僕は右も左もわからない。


しらばっくれるか‥‥‥それとも‥‥‥‥


「沖田さん‥‥‥‥」


「ん?なに?」


僕は沖田さんの目を見つめる。


沖田さんはいつでも刀を抜ける体制でいた。


僕は警戒している沖田さんと違って、ヘラッと笑ってみせた。


「何言ってるかわからないよ。それに、監視されてるって本当?」


と、いろいろ考えた結果、しらばっくれることにした。


いやね?これが夜とかならわかるんでけど、今は朝だからさ。


ここで沖田さんを倒しても絶対に殺される。


鍛えられた隊士達が大勢いるし。


僕がどんなけ強くても無理無理。


だいたい僕、暗殺の方が得意だし。


「本当にわからないの?」


そんな僕の反応に、怪訝に眉をひそめる沖田さん。


土方さんにちょっと似てると思った。


あ、今はそんなことどうでもいい。


とりあえず、沖田さんから逃げないと。


「わからないよ。それより、監視って?」


あくまでも何も知らない少年。


何かに怯えたように身体をかたくして、不安そうに顔を歪ます。


そして、少し寂しそうな声を出した。


うん、われながらいい演技をしてる。