突然、沖田さんが振り向いた。


思わず僕は足を止める。


僕が止まったからか、沖田さんも足を止めた。


「もしここから追い出されたらどうする?」


「え、追い出されるの?」


「いや、ねぇ‥‥‥‥」


どこか僕に警戒している沖田さん。


「僕、何かいけないことをしたの?」


「してない。というか、逆に役にたってる。今日の朝も美味しかったし」


お口にあってよかったです。


でも、なんで沖田さんはそんなに僕のことを警戒してるんだ?


「君、本当に何者?」


突然、そんなことを聞かれた。


僕は意味がわからなくて首を傾げる。


そんな僕に沖田さんは目線を鋭くした。


「料理も武術もでるき。それに、武術はかなり鍛えられてる。どこから来たかわからない。どこをどうみても怪しいのに、何故か警戒心を忘れさせられる。君は一日しかたってないのに、
まるでいつもそこにいたように当たり前のようにここに溶け込んでる」


まるで検索をかけるように言う沖田さん。


そんな沖田さんに僕はだんだんと表情を自然とかたくしていく。


そして、さらに沖田さんは僕を追い込む。


「極めつけに君、驚くほど隙がない。そして‥‥‥‥」


沖田さんはそういうと、人差し指を上に向けて立てた。


「‥‥‥‥なに?」


「しらばっくれなくていいよ。気づいてるんでしょ?監視されてるって」


そう、沖田さんが指差した場所は、僕を監視しているであろう人のいるところ。