昔から、何かと勘がよかった。


特に悪い予感はよく当たる。


だから今日、私はここに来た。



愛する人
の元に。
芹沢さん



傲慢で、我が儘で、頑固で、どうしようもない人。


でも、時々可愛くて、誰よりも自分の作り上げた組を誇りに思っていて。


仲間を、私を大事に思ってくれている。


それはきっと、永遠に変わらないモノ。


「梅!」


「だ、大丈夫です!」


響く刀のぶつかる音。


敵は2人。


黒の頭巾で顔はよく見えない。


ただ、わかるのは‥‥‥


芹沢さんも、相手も‥‥‥

チュウチョ
どこか刀を振るうのを躊躇している様。


キン!ギン!カキン!ギン!


響く刀音に飛び散る火花。


前には逞しい‥‥‥あなたの背中。


どうして?


どうして?


さっきからずっと、自分の声が頭の中で回っている。


耳に入った声は、芹沢さんの仲間のはずで。


同じ‥‥‥新選組の同士のはずで。


芹沢さんが、自慢気に話していた‥‥‥


「ぐあぁ!」


「芹沢さん!」


ギン!!