大量の水が僕の身体に叩きつけられる。
真っ暗な夜。
降り注ぐ大雨。
あーもう、ウザったいったらありゃしない。
僕は建物で雨宿りしていた。
地面に座り込んで、息を乱す。
痛い‥‥‥痛い‥‥‥
身体が悲鳴をあげている。
ハッ、なんて様だ‥‥‥
氷景との戦闘で、左腕の傷口が開いた。
長く雨の中にいたせいで、身体も酷く冷えている。
やっば‥‥‥完全に貧血おこしてる‥‥‥
モウロウ
頭がフラフラとして、意識が朦朧とする。
お腹がキリキリと痛む‥‥‥
寒い、寒い‥‥‥ねむ、
「クソッ、しっかりしろ、僕っ、!」
寝てはいけない。
大丈夫、もうすぐ動けるようになる。
このくらいどうってことない。
「行か‥‥‥なきゃ‥‥‥」
見届けるんだ、あの人を。
あの人の‥‥‥最後の姿を。
動け、身体を動かせ!
「?」
不意にバシャバシャと水を弾く音が聞こえた。
これは‥‥‥足音か?
「この、待ちやがれ!」
「止まるわけないでしょう?」
これは‥‥‥!



