新選組と最強子供剣士

いきなり出くわしたからか、両方とも固まっている。


すぐさま佐ノ助様は刀を構えた。


「は、原田はん‥‥‥」


厠にでも行っていたのだろう。


そして乱闘の音が聞こえ、どうしていいか分からず戸惑っているところに佐ノ助様と会った。


こんなところですわね。


ジッと2人の様子をうかがう。


疑問に思うところがあった。


‥‥‥どうしてでしょう?


何故、佐ノ助様は斬らないのでしょう?


私でしたら、会った瞬間に消しますのに。


知り合いだからでしょうか?


‥‥‥ああ、思い出しましたわ。


佐ノ助様と、吉栄は馴染みでしたわね。


知り合いはそう簡単に斬れない。


そうリーダーが言っていたのを思い出す。


「!」


「えっ!?」


いきなり、佐ノ助様が吉栄の腕を掴んだ。


それに吉栄は驚き、私も少し表情が強ばる。


「こっちだ」


佐ノ助様が吉栄の腕を引っ張り、駆け足で動いた。


あの、目‥‥‥


小さな戸惑いと怒りを覚える。


溜め息を大きく吐き、私は2人の後を追う。


佐ノ助様の今の目。


あれは、裏切り行為をする目。


‥‥‥マズいですわね。


怒りが大きくなり、抑える為に唇を少し噛む。