新選組と最強子供剣士

平間さんが沖田さんに攻撃をする瞬間、僕は物陰から飛び出した。


腰の小太刀を抜きながら糸里と間合いを詰め、
その心臓に一突。


平間が固まった。


沖田さんも、僕が出てきたことに驚いていた。


「糸里‥‥‥」


「あ、ひら‥‥‥」


刀を勢いよく引き抜く。


生暖かいの血が、僕にべっとりとかかっる。


そして崩れていく、人だったモノ。


僕は小太刀の血を払い、平間を見つめた。


「な、‥‥‥貴様ぁ!!!」


刀を振り上げ、切りかかってくる平間をジッと見つめる。


大振りの隙だらけの剣。


だが、平間の刃は僕に届かずに、身体が崩れ落ちた。


「はぁ、ハァ、はぁ」


大きく息を見出した沖田さん。


手に持っている刀には、血がベットリと着いていた。


「‥‥‥終わっ、た?」


沖田さんの言葉。


心の悲痛を押し殺したような声。


「まだだよ」


僕はそう言って、平間の死体を持ち上げる。


「剣壱君?」


「埋めるよ、この人達を。僕達だけが知ってる墓を作ってね」


「‥‥‥」


沖田さんは、無言で糸里の死体を持ち上げる。


その目は虚ろで、何も映してないかのようだ。


こればっかりは仕方ない。


そして僕と沖田さんは、平間重助と糸里を埋葬した。



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