新選組と最強子供剣士

目を開き、出てきた2人を確認する。


平間重助と糸里。


平間は周りを確認し、糸里の手を引く。


あらま、手なんてつないじゃって。


平間が八木邸から脱出する。

     ヤ
「あれ、殺ってもらうから」


「‥‥‥」


「呆けてる時間はない。行くよ」


平間と糸里の後ろを、音を立てないように着いていく。


沖田さんもちゃんと着いてくる。


「剣壱君、なんで?」


「何が?」


「なんで、屯所の外で‥‥‥」


「都合がいいから」


あの人達は、行方不明になってもらう。


運よく、大雨の深夜。


通行人なんていない。


平間と糸里が、草木の多い場所に向かって移動する。


隠れやすいし、いい判断だ。


けど、それが僕にとって好都合。


「沖田さん」


「‥‥‥わかった」


僕の合図で、沖田さんは物陰から飛び出した。


僕は裏路地を使って、沖田さんと挟みうちが出来るように移動する。


「ッ、糸里!」


平間が沖田さんの攻撃を寸前のとろろで気づき、糸里の手を引っ張って腕の中に収める。


「っ、誰だ!」


真っ黒な格好の沖田さんに向かってそう言いつつ、平間さんは刀を抜く。


僕は物陰からそれを見つめる。


「この、姿を見せろ!」