新選組と最強子供剣士

瞬間、目の前に刀が迫った。


さしている傘を水滴を飛ばすように振るう。


大雨でグッショリと濡れた傘の水が、突きをいれようとした男に盛大にかかった。


「ぶわっ!」


間抜けな声に、僕はまた溜め息をつきそうになる。


「沖田さん、すぐに構え直さないと。僕が敵なら斬ってるよ」


「えっ、あ、剣壱君!」


現れたのは、黒い着物に黒い頭巾を被った沖田さんだった。


剣壱は間近で、沖田さんを観察する。


「‥‥‥よくやったね」


「え?」


「手、震えてる。気持ち悪かったでしょ?」


「あ、‥‥‥」


沖田さんが刀を握っている手を見つめる。


気づいてなかったのか。


ま、そうだろうな。


「まだ、気持ち悪いことしてもらうよ」


「どういうこと?」


「仕事だよ。こっち」


僕は沖田さんの腕を引っ張り、裏口から視覚になる場所に移動する。


それから少し身を乗り出し、目を閉じる。


「剣壱君?あの、僕、土方さんに‥‥‥」


「黙れ。気配を絶て。それじゃ気づかれる。最悪、息を殺すだけでいい」


気づかれる。


その言葉に、沖田さんが反応した。


それから息を殺し、僕と同じ方向を見つめる。


‥‥‥足音。


2人組の男女。


ソッと静かに裏口の扉が開いた。


沖田が息を呑むのを感じる。