新選組と最強子供剣士

玄関で、優しく微笑む愛しい女。


「お梅‥‥‥」


「お帰りなさい。芹沢さん」


また酔っているんですか?


そう言って、ころころと鈴の音のように笑うお梅。


いろんな感情が芹沢の中で一気に溢れ出した。


戸惑い、怒り、悲しみ、そして‥‥‥


「お梅さん、って‥‥‥あら、帰っていらしたんですね」


八木邸の中から、外に2人の女性が現れた。


「吉栄?」


1人に、平山が反応した。


「糸里‥‥‥?」


1人に、平間が反応した。


なぜ、ここにいるのか。


3人が、ここに来ることは少なくはなかった。


だが、今日は大雨だ。


それにこんな深夜に。


「お梅、なぜいる?」


「あら、酷い言い草ですね」


そう言って、お梅は普段通り笑う。


芹沢は拳を思わず握りしめた。


「っ‥‥‥梅!酒を用意しろ!わしは飲み直すぞ!」


湧き上がってくれ感情を抑えつけるように、芹沢はわざと大きな声を出した。


「ふふっ。わかりましたよ、芹沢さん」


自分の名を呼ぶ梅。


芹沢はただ祈った。


柄にもなく、真っ直ぐに。


(今日は、何も起こってくれるな‥‥‥!)


その思いは、芹沢の胸の中だけに響く‥‥‥