目の前の光景が他人事に見える。


平山五郎と平間重助。


そして、芹沢鴨。


今日殺すやつらと、俺は今歩いている。


新選組の副長として、局長である近藤さんと下した決断。


後悔など、してる暇なんてない。


少しでも早く終わらせるため、最後の晩餐として芹沢さん達を島原へと誘った。


島原の角屋で宴の席を用意したのだ。


近藤さんと芹沢さんが何かを話している。


何もかもどうでもいい気分だった。


考えるのが嫌になる。


「のぉ土方」


「なんだ?芹沢さん」


「小僧は‥‥‥剣壱は、元気にやっているか?
酷い怪我をしたと聞いたんだが」


「ああ、大丈夫だ。命に別条はない」


「そうか。それはよかった。あれは抑えがないと、いつか壊れてしまうだろうからな」


「!」


芹沢さんの言葉に、思わず驚いてた。


後ろ姿と傘で表情は見えない。


芹沢さんは‥‥‥何を思って言ったんだ?


「芹沢さんは、剣壱君とはよく話たのですか?
こういっちゃあ悪いですが、仲がよさそうには見えなかったんですが」


「ハハッ、近藤ほど仲良くはないぞ。だが、よくよく話してみれば、なかなか面白い小僧ではあったな」


「そうですな。剣壱君は不思議な子です」


のんびりと歩き、島原へに入る。


角屋につくと、店主と芸子が待っていた。


「ああ、ようおいでくださいました。今日は楽しんでいってください」


店主の案内で、部屋に案内される。


酒と料理が運ばれ、宴会が始まった。