午後7時。
ザァーと大きな音がするほど、大雨。
3時間という長いのか短いのか分からない休息を取った僕。
僕とティユルは、またまた屋根の上にいた。
僕の灰色の、ティユルは黒と赤の番傘を差している。
滑らないか心配だったが、大丈夫だった。
「もうここが拠点?になってますね」
「仕方ないさ。ここなら、そうそう誰もこないんだし」
玄関近くの屋根の上。
そこから見える近藤さん達。
水戸派 芹沢鴨・平山五郎・平間重助
試衛館派 近藤勇 土方歳三 山南敬助
沖田総司 永倉新八 斎藤一
井上源三郎 藤堂平助 原田佐ノ助
以上の12名
「監察で動いてるのは?」
「山崎丞・島田魁の2名かと」
「島田魁もか」
僕は小太刀と小刀、針を備えている。
「近藤勇に何か伝えた?」
「一応、黒い服装に黒い布を常備しているようにと。顔を隠せるように」
「ふ~ん。で、ティユルは、どうやって長州の奴らのせいにするつもり?」
「八木邸を来るように手引きしていますよ」
「どうやって?」
僕がそう言うと、それはもうゾッとするような妖艶な笑みを向けられた。
綺麗な薔薇には棘がある、ね。
本当に毒花だよなぁ。
ま、そうなる道に誘ったのは僕なんだけど。
近藤さん達が見えなくなって、僕はティユルに問いた。
「さて、僕らはどうする?」
「わかっておいででしょう?」
後は、八木邸で待つだけ。
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