話し終わり、改めて原田組長を見る。
いろんな感情の混ざり合った、複雑な表情をしていた。
「不幸だと思いですの?」
「っ、ああ、そうだな。だけど、悪い。お前のいた環境を想像できない」
それはそうでしょうね。
別に想像して欲しいわけじゃない。
同情も、哀れみもいらない。
今の私を認識しているだけでいい。
それに、私のいた場所は日本じゃなかったですし。
原田組長には想像できないでしょう。
「わからなくていいですわよ」
過去の話しをしたのは久しぶりですわね。
話したのは、リーダーを含め4人だけ。
‥‥‥そういえば、なぜ原田組長に話してもいいと思ったのでしょう?
やはり、人が出来ているからでしょうか?
自分が少し、わからないですわ。
でも‥‥‥嫌な感じではしない。
「北凪、ちょっと‥‥‥悪い」
原田組長がそう言って、突然、私の頭を撫でてきた。
「え?あの‥‥‥」
「なんか知った瞬間、頑張ったんだなって思ってさ」
「!」
「だからその‥‥‥今のお前は剣壱がいたからなんだなって思うよ」
頑張った?
私、頑張って‥‥‥‥
「剣壱には感謝し‥‥‥って北凪!?」
「え?」
何かが頬を伝う感触がする。
気づいた時には、涙が1つ、また1つと流れていた。



