新選組と最強子供剣士

一瞬の出来事だった。


カランカラン


そんな音を立てて、目の前の檻の壁が粉々になって崩れ落ちた。


少年は剣を鞘におさめ、私に手を差し出した。


『ねぇ、僕と同じところに来ない?』


自分の手と足を見れば、鎖も切れていた。


私は驚いて少年を見つめた。


『どうせ戻れないところまで僕も君も堕ちているんだ。なら今度は堕ちるんじゃなくて、自分の足で絶望に向かって進んでみない?』


『‥‥‥え?』 


『手を取るかは君の自由。でも取ればもう、一生日の光を浴びた生活はできない』


自分よりも年下の少年。


その少年によって、差し出された手。


『さぁ、選んで?』


今思えば、手をとらなければ殺されていたかもしれない。


けど、そんなことどうでもよかった。


『青空は、見れますの?檻に、鎖に繋がれなくてもいいのですの?』


その質問には答えず、少年は笑みを浮かべた。


ゾッとするような、残酷な笑み。


それでも、それでも‥‥‥‥


『連れて、行って‥‥‥!』


私は少年の手を取った。


瞬間、少年は私の手を引いて立たせた。


それから、今度は妖艶な笑みを浮かべて‥‥‥


『ようこそ。さらに闇深き裏の世界へ』


そう、私に向かって楽しそうに言った。