新選組と最強子供剣士

「こいつ、こう見るとただの餓鬼だよな」


「え?」


「俺には、こいつが殺し屋に向いているようには見えねぇよ」


土方副長はそう言って、立ち上がる。


リーダーが‥‥‥殺し屋に向いていない?


この人は、何を言っていますの?


「必ず、やる。何を差し置いてもだ。失敗はしねぇよ。こいつと約束したからな」


強い目でリーダーを見ながらそう言い、土方副長は部屋を出て行く。


残された私と山崎さん。


「山崎さん、隊長に1人、人をつけて下さいませんか?」


「?」


「隊長はすぐに無理をなさるんです。目を覚ませばきっと、動かれてしまうでしょうし」


「わかった。では、島田をつけよう」


「島田魁ですか?」


「ああ」


それなら安心ですわね。


島田魁 諸士調役兼監察の隊士。


実力もあるようですし、新選組でも信頼されている隊士。


「ではお願いします。私は、朝餉が食べおわってから少し出てきますので」


「北凪」


「はい?」


「無理は、するな」


山崎さんの言葉に微笑んで、私は部屋を出る。


無理するな?


それは‥‥‥‥


「状況によりますね」


約、午前6時。


そろそろ隊士達が起きてくる時間。


まずは朝餉、ですわね。