新選組と最強子供剣士

白凰も刀を構え直し、僕を睨みつけた。


冷や汗が流れる。


割に合わない仕事だ。


下手をすれば‥‥‥死ぬ。


「最近、俺の事を嗅ぎ回っているのは‥‥‥お前か?」


「嗅ぎ回られているのか?」


「なかなか尻尾を出さない。餌をまいてみても引っかからない。不愉快だ」


どこかイライラしたようにそう言う白凰。


よかった、安心した。


ティユルとは何もないようだ。


「答えろっ」


「っ!」


ギン!


「お前か?」


「っ‥‥‥」


ギリギリとしなる刀。


白凰に押し込まれそうになるのを、必死で耐える。


「少しは僕も嗅ぎ回った。だが、今は違う。それは、僕ではないっ!」


ギンギン!キン!キン!ギン!


激しい攻防で白凰と斬り合う。


嘘は言っていない。


白凰を嗅ぎ回っているのは、ティユル。


僕の命令であるから、半分は僕だけど。


「なかなか、やるじゃないか?」


「白凰に、言われたく、ないねっ」


ギン!


「ハァ、はぁ、」


少し息が切れてきた。


こっからが本番。


大丈夫、やれる。


僕は失敗なんてしない。