一鳴きして、叶が屯所の方にかけて行く。


さて、これで監察の人達がいつ来るか‥‥‥


僕は屋根からジャンプして、浪士達の前に着地する。


「明日は大事な日なんだ。大人しく帰ってほしいんだけど」


背中から刀を抜き、殺気を出して言った。


少し下がる浪士達。


まだ構えてもいないのに。


僕って随分怖がられてるんだな。


ま、仲代さんはそうだろうけど。


すると、何を思ったのか浪士の1人が前に出てくる。


僕をジロジロと見てから、笑いを浮かべた。


「は、ハハ、お前ら、何ビビってんだよ。相手は子供だぜ?おい仲代、本当にこいつなのか?」


「ま、間違いないと‥‥‥思うが‥‥‥」


仲間に言われて自信が無くなったのか、言葉を少し濁す。


その声は確かに震えている。


そんな仲代さんを見て、男は更に笑った。


「おいおい、マジかよ?細っこいし、どっからどう見ても強そうには見えないぜ?」


男が近づいてくる。


ふ~ん、こんなやつもいるのか。


相手の力量も分からない馬鹿。


「お、おい!止めておけ!」


仲代さんの言葉は無視し、とうとう僕の刀の間合いに入ってきた。


ヒュン


僕は刀を振るった。


下から上に、ただそれだけ。


その瞬間、男の右腕を胴体から離れた。


ドサッ


そんな音を立てて落ちた腕。