「よし、じゃあ飯食っていいぞ」


土方さんの合図で、それぞれ夕餉を食べ始めた。


「お前は好きなところで食え」


僕はそう言われてご飯を渡され、土方さんは自分の席に付いた。


好きなとこって、空いてるところないじゃん。


隊士さん達には良い印象をもたれていない。


じゃあ隊士さん達と交流を深めるのがいいのかな~


コミュニケーション能力は低いんだけどな。


とりあえず一番隅の角っこの方に座る。


隣の隊士さんと周りの隊士さんが嫌そうな顔をしたけど、気にせずスルー。


手を合わせて、小さく「いただきます」とつぶやく。


お腹がペコペコだったから、すぐにご飯にありついた。


あ、このおひたし旨いぞ。


この焼き魚もなかなか塩加減がいい。


あ~味噌汁は最高の味付けだ!


ただひたすらに黙々と食べる。


ただ、心の中は夕餉に絶賛しているので表情だけがコロコロとかわる。


「お前、随分と美味しそうに食べるな」


ふと、隣から声をかけられた。


隣を見ると1人の隊士さんが僕を見ていた。


やっぱり僕に言ったのかな?


「僕に言ったの?」


そう聞くと隊士さんは頷いた。


「ああ。黙ってるくせに表情がよく変わる」


そんなに変わってたかな~


あんまりわかんないけど、なんか恥ずかしい。