水戸藩だった新見錦はおいといて、なぜ近藤勇は局長になれたか、だ。


まぁ身分差があったから、局長が2人いるのに芹沢鴨が本当の1番なんだろうけど。


「立はどう思う?」


深夜2時


前川邸の屋根に戻ってきた僕。


叶を撫でながら新選組のことを説明している僕の話。


それに耳を傾けていただろう立。


僕の投げたかけた質問に、立は手を顎に当てて考えている。


正直、こればっかりは疑問なんだよねぇ。


どう考えても、近藤さんが入り込む隙があるようには思えない。


なのに近藤さんは局長で、実際、新選組の2番目。


その場にいないし、人から聞いた話だしな~


「やはり、土方歳三だと思いますわ」


「土方さん?」


「はい。副長も、土方歳三以外いらっしゃいます。ここがポイントだと思いますわ」


「あ、そういえばそうだった」


「おそらく、土方副歳三が無理やり近藤勇を局長の位に入れたのだと」


「まぁ話を聞いた限りじゃあ、近藤さんもかなり組作りには貢献したみたいだし」


「突然トップが変わってしまいますと、試衛館派の人達が非協力的になってしまう可能性も出てきていたと私は思いますの」


なるほど。


後日、土方さんに聞いてみよっかなぁ。


「さて、次は土方さんの所にいかないと。
立、またよろしく」


「承知いたしました」


立に頼んでいるのは、見張り。


さっきだと、立は塀を挟んですぐの僕の後ろで見張りをしていてくれた。


叶は立と一緒にいる。


叶の奴、立にも結構懐いているんだよね。