真面目と本気。


目の前の子供は、どれだけの修羅場を越えてきたのだろうか?


『いつでも本気』


その言葉を言った瞬間の力強さ。


そして、その覚悟を感じ取った芹沢は本当の覚悟を決めた。


「‥‥‥‥桂小五郎は、剣術以外にも柔術の心得があるそうだ。剣はあまり抜かず、見つけても逃げられることが多いらしい」


「強いの?」


「わしも一度はお目にかかったことがある。大柄のわりに逃げ足が早い。身体は鍛えられていたぞ。お主ならすぐにわかる」


「そんなに目立つ人なんだ」


「ここでいうなら、原田並みの男だ」


「なるほど」


「こやつは偽名‥‥‥ここでは変名と言った方がいいか。変名を多くもっている。頭がそれなりにキレるしな。捕まえるのは至難の技だ」


「変名かぁ。ま、そりゃあ使ってる人がいても可笑しくないか」


「ふむ、次に高杉晋作。こやつは桂とは反対なことが多い。身体は小柄だが、長い刀を好んで使っていると言う。頭はキレるぞ」


「桂小五郎以上?」


「土方並みにキレると思うぞ。性格も多少なりは似ていると思う」


「そりゃあ厄介だ」


「この位‥‥‥だな。それで、何か質問はあるか?」


この新選組を、任せる覚悟を‥‥‥





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