あーあ、1人ならもうちょっと楽なのになぁ。
お梅さんについて歩いていると、人が少ない通りに出た。
左を見れば川があり、少し風が吹いている。
川辺では、3人の子供が遊んでいた。
何やらジャンケンすると、2人は草が生えた川辺から、僕とお梅さんがいる道に来る。
それと同時に、1人も2人を追いかけるようにして走った。
「「「ワハハハハッ」」」
子供達は笑いながら走って、僕の隣を通り過ぎていく。
僕はもう見えなくなった方を立ち止まって、ただ見つめた。
‥‥‥‥子供時代、か。
さっきのは6、7歳くらいかな?
楽しそうに笑いながら走っていた。
「‥‥‥‥剣ちゃん?」
「なぁに?お梅さん」
名前を呼ばれて、お梅さんに笑いながら首を傾げる。
お梅さんは、僕が見ていた方と僕を交互に見てから言った。
「そういえば、剣ちゃんは同い年のお友達とかいないの?」
「さっきみたいの子供の友達?」
「ええ」
僕は父が死ぬまで、一応保育施設にいた。
だけど、お世辞にも愛想のいい子供とは言えないかった。
1人で何してたっけかなぁ。
なんか、喧嘩ばっかりしてたような‥‥‥?
あ、思い出してきた。
「僕ねぇ、喧嘩ばっかりなの。だから友達ができないんだ」
「剣ちゃんが?」



