新選組と最強子供剣士

殺気立ってしまう。


落ち着け、僕。


手はだすな。


「藤堂平助」


「(ビクッ)」


「なぜ、その名を知っている?」


「お、お前が、寝言で‥‥‥」


寝言、か。


なるほど、それならわかる。


だが‥‥‥

      
「藤堂平助、二度とその名を口にするな。誰にも他言するな」


「なっ‥‥‥‥」


「沖田総司、貴様もだ」


「‥‥‥‥」


静寂がその場を支配した。


ただただ僕の殺気が漂っているだろう。


でも、仕方ないんだ。


まだ僕は、乗り越えていない。


名ができだけでこの動揺のありさまだ。


全く、僕はまだ未熟者だな。


沖田さんと平にぃに背を向け、僕は一度深く息を吐く。


そして無邪気な笑顔を作って言った。


「沖田さん、平にぃ、約束だよ!」


この姿は便利だ。


未来とは違う僕の姿。


だから僕は、本性を隠せる。


どこまでも醜い、黒い僕。


他人を生かすことなんて、これっぽっちも考えちゃいない。


最低限の仲間だけでいい。


新選組なんて‥‥‥


「剣壱君」


「っ、何?沖田さん」