そこには困った顔をした沖田さんと平にぃがいた。


「沖田さんと平にぃ?」


沖田さん達の方に駆け寄る。


僕の顔を見たりそらしたりと、変な反応をされた。


「何?」


「それがね、長州をなりわいとする不逞浪士の人達が、君を探しているらしんだよ」


「‥‥‥は?」


間抜けな声が出た。


長州が、僕を探して‥‥‥る?


「なんで?」


「それがよく分からねえんだ。今日、巡察の時にちょっと交えたんだけど‥‥‥」


「僕のこと聞かれた?」


「そう」


朝っぱらからの巡察で襲われたなんて、沖田さんも平にぃも運がないなぁ。


‥‥‥‥いやいやいや、そうじゃないだろ僕。


「沖田さん、平にぃ時間ある?あるなら平にぃの部屋に行こ。ここは人が多いし」


「わかった」

「おう」


「じゃ、土方さんに言ってくるね」


そう言って回れ右をして土方さんの方を‥‥‥


「‥‥‥ヒッ」


見て小さく悲鳴をあげ、即座に目をそらした。


なぜかって?


土方さんが、そりゃもう鬼の形相で睨んでくるからだよ!


なんか殺気で背中が痛いよ!


てか変な声でちゃったじゃないか!


深呼吸をして、改めて土方さんの方に近づく。


「ひ、土方さん、なんか怒ってる?」


「怒ってねぇよ」


「そ、そお?顔怖いけど‥‥‥」


「お前、めんどう事は持ち込むなよ」


「え?」