剣壱の剣は、型にとらわれない自由な剣。


型は剣壱なりにあるのかもしれないが、独特すぎて俺にはわからない。


だが、弱点は‥‥‥‥


「でいあぁ!」


「くっ!」


体格差もあり、力は圧倒的に剣壱が下。


連撃の弱い部分をつき、1度流れを止めてしまえばいい。


そうそれば剣壱は自然と後ろへ下がる。


剣壱が下がったことで、仕切り直しにお互い構え直す。


そこで俺は驚いた。


「はっ!」


俺の驚きを知ってか知らずか、剣壱は激しく打ち込んでくる。

・・・・・・・・
平助と全く同じ型で。


「ほらほら、攻めてきなよっ!」


「っこの、糞餓鬼っ!」


打ち込んできて分かった。


基本的には平助と同じだが、剣壱なりに変えているところもある。


くそ、攻めにくい‥‥‥‥


平助の剣を知っているからこそ、剣壱が平助とほとんど同じ動きをするからことだ。


「はっ!」


平助なら右から打ち込んでくる。


だが、剣壱は左から。


なのに動きは、やはり平助。


「はあぁ!」


「おぉ!」


パシン!!!


「やるじゃねぇ、か。なんだ?その、めんどくせぇ剣は」


「毎回、あんた達の剣を観察してきたから、できるんだよっ!」


不意に剣壱が距離を取った。


そしてまた見たことのある構えをする。


おいおい、斎藤の技まで盗みやがったのか?


剣壱がしているのは、斎藤の居合いの構え。