「‥‥‥‥へ?」

「‥‥‥‥は?」


立の言葉に、思わずハモる僕と土方さん。


土方さんと、試合?


「待て北凪。なぜだ?」


「隊長が土方さんに勝てるくらい怪我が治っているなら、私も納得するからです」


な、なるほど。


土方さんに勝てば動いてよし。


負ければ部屋でとっとと休めと。


いや、うん、でも、ね。


「立、僕この前土方さんに負け‥‥‥‥」


「勝てないから今から明後日の夜まで、部屋から出るの禁止です」


「よっしゃオッケ頑張るわ」


部屋から出るの禁止なんて!!


そんな暇の極みみたいなのは嫌だ!


疲れてもないのに無理!!


「じゃ、土方さん、やりましょう」


「は?お前本気か?この前、俺に負けたのを忘れたのか?」


土方さんが鼻で笑うように言った。


ムッカー!


今日は目のもの見せてやる。


「今回は土方さんと同じ木刀使う」


「は?」


僕がそう言うと、土方さんどころか近くにいた隊士までもが目を点にした。


それもそうだろう。


僕の今の身体で刀を使うのは、江戸時代では珍しい。


江戸時代の刀の長さは一般成人男性で約70㎝。


でも、僕の実際使っている武器はそれ以上の太刀だったりする。


だから、この身体では普通の木刀の方が意外とマッチしたりする。


‥‥‥‥たぶん。


「いつも使ってるやつじゃあ、間合いが足りなさすぎるんだもん」


まぁ刃物全般なんでも使えるし大丈夫でしょ。