むしろ山崎さんが1番、立を警戒しているだろう。


「仕事を早くすましたら変な顔をされました」


そう僕は立に言われたことがある。


山崎さんにそのことを聞いたら‥‥‥


「仕事が早すぎて疑ってしまう」


って顔を歪めて返された。


さて、立は僕の仲間だから、仲間の悪口は僕の悪口。


立の悪口は僕の悪口でもある。


性格とかは置いといて、行動はだ。


仕事の命令を出しているのは山崎さん。


その仕事の内容も僕は聞いている。


そしてその仕事を、どういう期間でこなすかをたま~に口出している僕。


てことで八つ当たりもこめて、ちょっと悪戯しちゃう♪


「うわぁあ!」

「っ!!!?」


2人が道場に入った瞬間、つまりは僕を横切る瞬間、僕は一瞬だけ殺気を2人に向けた。


すると2人共情けなく腰を抜かし、僕の方を驚いたように見る。


「ぼ、坊主?」


「どうしたの?2人共、お化けが出たような声出して。僕に何かついてる?」


首を傾げて、不思議そうな表情をする。


隊士の2人だけでなく、土方さん達も僕の方を見ていた。


その大半は驚きの表情だ。


ま、気配消してたし、誰も僕に気づいてなかったから当たり前なんだけど。


「おい」


「何?」


土方さんが厳しい顔でやってくる。


うん、怖いぞ。


あいかわらず目力ハンパない。


「おめぇ、何しに来た?」


「強いて言えば暇つぶし」